【皮膚科専門医が解説】肌荒れの時に日焼け止めはどうしたらいい?

シミ

問診表に「肌荒れ」と書く患者様が多い今日この頃ですが…

特に女性からのご質問で多いのが「肌荒れしている時も日焼け止めって塗った方がいいんでしょうか?」 

紫外線が強くなっていますので、気になるのも当然ですよね。

この場合、美容よりも病気としての観点から考えることが大切です。

 

① あなたの肌荒れはニキビ?乾燥肌?かぶれ?

「肌荒れ」と患者様が考える状態は、皮膚科的に複数の病気が挙げられます。

代表的な3つがニキビ、乾燥肌、かぶれです。

今はマスク生活のため、上記3つが混じっていることも珍しくありません。

それぞれ原因が異なり、対策も違ってきます。

マスクによる肌荒れについては、こちらをご覧下さいね↓

(2020年6月10日(水)にNHK総合の番組でマスクトラブルについて解説した記事です。)

なお、UV対応マスクでない限りは紫外線を通しますので、通常の皮膚ではマスクで隠れる部分にも日焼け止めを塗る必要があります。

 

② じゅくじゅくしている時の日焼け止めはお勧めしない

上記3つのうち、「じゅくじゅくしている時」は日焼け止めうんぬんよりも治療をして早く治すことが先決です。

具体的には、ニキビにバイ菌が付いて大きく赤く腫れあがっている時、乾燥肌を掻き壊して血が出るほどになっている時、かぶれがひどくて赤くむくんで汁が出る時などです。

この場合、皮膚のバリアが壊れていますので、「日焼け止めを塗ってかぶれるリスク」と「治療を優先して(日焼け止めを塗らなかった結果)日焼けするリスク」を天秤にかけると、「かぶれるリスク」が大きくなることが多いです。

日焼け止めは添加物が多くて、刺激になりやすいからです。

そして炎症がこじれるほど、治療の跡が残りやすくなります。

まずは塗り薬をしっかり塗って皮膚のバリアをきちんと回復させてから、日焼けのことを考えましょう。

日焼け止めを塗れない間は強い日差しに当たらないように気を付け、帽子や日傘やサングラスを使ったり、日陰や地下を歩くなどで対応していくことになります。

 

③ じゅくじゅくはしていないけれど症状がある時は、肌への負担が少ない日焼け止めを

②で挙げた症状ほどひどくはないけれど、肌の調子が悪い…という場合、メイクや日焼け止めを許可することもあります。

以前は「肌荒れの時にメイクNG!」とする皮膚科医が多かったのですが、最近ではメイクをしながら肌荒れを治していきましょうと指導する皮膚科医が増えてきています。

(メイクはダメ!と言われても、せざるを得ない女性が多いですからね…)

その時に気を付けていただきたいのが、日焼け止めやファンデーションの成分です。

紫外線をブロックする成分には吸収剤と散乱剤があるのですが、吸収剤が入っているものはかぶれやすいため、「吸収剤フリー」「ケミカルフリー」「ノンケミカル」と書いているものがお勧めです。

また、ニキビの方ではこってりしたメイクが毛穴を塞ぎやすいので、パウダリーファンデーションや日焼け止めパウダーで対策する方がニキビが悪くなりづらいです。

(ただし、パフなどメイク用品は清潔にしましょう。)

乾燥肌、かぶれの方は石けんで落ちる日焼け止め・ファンデーションがお勧めです。

メイク落としは肌の保湿成分を奪う力が大きく、刺激の強いものが多いです。

ダブル洗顔しなくてもよいものを選びましょう。

 

④ 肌荒れが治った後に皮膚が茶色くなるのは、日焼けしたせいではない

ニキビであれ、かぶれであれ、炎症がおさまった後の皮膚は茶色くなります。

これは炎症後色素沈着といって、程度には個人差があるものの誰にでも起こることです。

「日焼け対策をしなかったから日焼けして茶色くなってしまった」と落ち込む必要はないんですね。

3-6か月で自然に周りの肌色になじんでいきます。

早く元の状態に戻すためには「紫外線に当たらない」「こすらない(隠そうとしてコンシーラーなどを強く擦り込まない)」ことが重要ですので、そっと日焼け止めやファンデーションを塗りましょう。

ただし、どのくらいの期間で戻るかはもともとの体質に加えて炎症の程度にもよりますので、②でお伝えした通り「ひどい炎症を早く治す」ことが最優先なんです。

炎症後色素沈着はシミのように見えることもあるので、こじらせないように対処することが大切です。

そして、茶色くなるのはステロイドの塗り薬の副作用でもありません。

ここはよく誤解されている点ですが、ステロイドの塗り薬のせいではなく、塗り薬で治ったから茶色くなったんですね。

心配せずに皮膚科からの処方薬をお使い下さい。

しばらくはマスク生活が続くと思いますので、肌荒れを上手にコントロールしていく必要がありますよね。

この記事では肌荒れと日焼け止め・メイクについて解説しましたが、肌荒れの種類や程度がわからない方、ご自身でうまく行かない方は、皮膚科専門医へご相談下さいね。

 

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